監修:鍼灸師/心理学修士(神戸大学大学院修了)
▶1. 【30秒】自律神経チェック
▶2. 【心理学のヒント】なぜ、つらい不調は続く?
▶3. 【自律神経を整える】オンラインカウンセリング
チェックするだけで、合計点を自動計算します。
■各項目で、今の自分に最も近いものを1つ選んでください。
※上記のチェックシートは、久保木富房「自律神経失調症」を参考に当院が作成しました
5点以上の方へ
当てはまる項目が5つ以上ある場合、自律神経が乱れやすい状態の可能性があります。
まずは、できる範囲で次の点を意識してみてください。
・就寝と起床の時間をできるだけ一定にする
・休憩を後回しにせず、こまめに取る
・予定を詰め込みすぎず、回復の時間を確保する
・つらさが強くなる時間帯やきっかけを把握する
不調が続くときほど、頑張り方を増やすより、負担を減らす工夫のほうが役に立つことがあります。
※このチェックは診断ではなく、状態を把握するための目安です。不調が続く場合は、無理をせず専門家にご相談ください。
自律神経失調症とは?
自律神経は、呼吸や内臓の働き、血の巡り、消化、代謝などを、私たちが意識しなくても「当たり前に生活できるように」自動で整えてくれる仕組みです。
自律神経には、体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経があります。この2つが状況に合わせて切り替わり、体の機能のバランスを保っています。
ところが、ストレスが続いたり生活リズムが乱れたりすると、この切り替えがうまくいかなくなり、心や体にさまざまな不調が出てきます。こうした状態を自律神経失調症といいます。
【心理学】なぜ、つらい不調は続く?
心身の不調が長引くと、「治らないのは自分が弱いから」と、つい自分を責めてしまう方が少なくありません。
でも、それはあなたの性格のせいではありません。慢性的なストレスが続くと、心と脳には次のような連鎖が起こります。

ストレスがたまると脳が疲れ(脳疲労)、感情のブレーキが効きにくくなります。すると物事を狭い視野でしか捉えられなくなり(心理的視野狭窄)、「すべて自分が悪い」といった考え方のクセ(認知の歪み)が強まります。
この状態が自律神経の乱れを加速させ、「自己否定のループ」へとつながっていきます。
このループから抜け出す第一歩は、ぐるぐると回る思考や感情に、一歩引いて気づくこと——つまり「メタ認知」です。
今日からできるセルフケア
メタ認知を高める小さな習慣
頭に浮かんだ考えに「私は今、〜と考えている」と主語をつけてみましょう。
たとえば「もうダメだ」ではなく、「私は今、『もうダメだ』と考えているな」と言いかえるだけ。考えと自分のあいだに少し距離が生まれ、感情に飲み込まれにくくなります。ノートに書き出すと、さらに効果的です。
当院のサポートをご検討の方へ
チェックシートで当てはまる項目が多かった方は、自律神経のバランスが乱れやすい状態かもしれません。
当院では、鍼灸と心理カウンセリングで心身の緊張を整える施術に加えて、ストレスや考え方のクセを整理するオンラインカウンセリングも行っています。
ご来院での施術を希望される方も、まずはオンラインから始めたい方も、下記のページをご覧ください。

当院の施術例
施術例
薬に頼りたくない不眠と胃痛
完璧主義による自律神経失調症
「妻・嫁だから」と完璧を求めて自分を責め心身が限界に。薬に頼りたくない深刻な不眠や胃痛、自律神経の乱れでご来院されました。
来院までの経緯
3カ月前から不眠がひどくなり、めまい、頭痛も加わりました。病院では「自律神経失調症」と言われ、薬を服用していました。
満足に眠れない日が続くうちに「眠れなかったらどうしよう」という睡眠への恐怖を感じるようになり、それに伴って自律神経症状も強まっていきました。
さらに「胃が痛く、何を食べてもおいしく感じない」といった胃腸の不調も出てきました。
仕事や家事に加え、義母の介護、孫の世話、近所の高齢者の世話などを抱えていました。少しでもできないことがあると「なんでこんなに要領が悪いんだろう」と自分を責めてしまう状態でした。
仕事に支障が出ることを避けるため、毎日睡眠薬と鎮痛剤を飲み続けていましたが、「できるだけ薬に頼らず整えたい」と感じ、「東洋医学の鍼灸を受けたい」と当院にご来院くださいました。
初回来院時のお悩み
薬を飲まなくても眠れるようになりたい
薬に頼って眠ることへの不安が強く、できるだけ自然な睡眠を取り戻したいという思いがありました。
周りに迷惑をかけたくない
体調不良によって周囲に迷惑をかけることを強く恐れていました。
初回来院時の心身の評価
社会規範に縛られた「べき思考(認知の歪み)」が強い
「妻だから家事を完璧にこなさなければならない」「嫁だから義母の世話をするのは当然」など、役割に基づく「〜すべき」と考え、しんどくても気持ちを押し殺して周囲の期待に応えようとしていました。その結果、「つらい」という本来の感情に気づきにくく、疲れ切っていました。
睡眠に対する強い恐怖と執着
眠れない不安から睡眠に執着し、「夜が来ること」自体に恐怖を感じていました。
他人からの評価が気になる
過剰に自分を責め、他人の評価を気にし続けることで緊張が高まり、不安や身体症状を強めていました。
東洋医学の体質:気滞タイプ
東洋医学的には「気滞タイプ」の傾向がみられ、気の巡りが滞りやすく、緊張・ストレスが胸腹部のつかえや胃腸の不調として出やすい状態でした。
鍼灸施術の経過
施術目的
「妻だから」「嫁だから」という立場で物事を捉えると、社会規範に縛られたべき思考が強まり、「完璧にしなければならない」というプレッシャーで自分を追い込みやすくなります。この状態が続くと、緊張と不安が高まり、自律神経のバランスを崩しやすくなります。
そこで、以下を重点に取り組みました。
- 睡眠への恐怖と執着を和らげ、夜を「怖い時間」にしない
- 「立場」よりも「自分の気持ち」を優先する練習
- 必要な時は人に頼る
- うまくいかない時に自分を責めすぎない
- 他人の評価より、自分のペースを基準にする
施術内容
- 自律神経と女性ホルモンのバランスに配慮した鍼灸施術を行いました。
- 自分を苦しめる「べき思考(認知の歪み)」を見直すカウンセリングを行いました。
- 眠りを妨げる習慣や緊張を整えるセルフケア(生活面の工夫)をお伝えしました。
1~5回目(週1回の来院)
途中で起きることなく眠れる日が出てきました。
胃がすぐに膨れる感じはあるものの、以前より「何か食べたい」と思える場面が増えてきました。
睡眠薬は仕事の前日だけにするなど、使用頻度が少しずつ減ってきました。
頭痛が出た際も、鎮痛剤に頼る頻度が減ってきました。心身の緊張が和らぎやすくなり、症状が強まりにくい日が増えているご様子でした。
6~9回目(週1回)
心身の状態は落ち着きが出てきましたが、身近な方の不幸があり、不眠が再度悪化しました。
また、おさまっていためまいも再発し、「夜が怖い」という思いが強くなってきました。そのため、心身の緊張を和らげる施術を厚めにし、睡眠への恐怖が強まらないよう支援しました。
それでも、疲れている時には「夫や娘に頼ってもいいかな」と思えるようになり、少しずつ頼り方が変わり始めました。
「最近は、周りからどう思われるかではなく、自分がどうしたいかを一番に考えるようにしている」とお話されました。
10~13回目(週1回)
睡眠薬に頼らずに眠れる日が増えてきました。
寝つきの悪い日もあるものの、「こんな日もある」と受け止められるようになり、睡眠に対する恐怖や過剰な不安が和らいできました。
胃腸の調子も整い、友達とランチを楽しめるようになりました。
以前は頼まれた仕事を全て引き受けていましたが、今では「自分がやらなければならない」と決めつけず、無理な場合は断ったり他の人にお願いしたりできるようになってきました。
この変化は、社会規範に縛られた「べき思考」がゆるみ、捉え方の幅が増えてきたことを示しています。
また、「1日の中で睡眠について考えることは少なくなってきた」とのことでした。
「思った通りにできなくても、もう年だし、若いころのように動けなくても仕方ないよね」と考えられるようになった、というお話もありました。
現在
メンテナンスとして、月に1回のペースでご来院されています。
「嫁だからではなくて、お義母さんのことが好きなのでお世話をしている」とお話されました。
以前のように「自分がやらなければならない」というプレッシャーから距離が取れ、義務感ではなく、自分の気持ちに基づいて行動できるようになってきたご様子でした。
※服薬の調整は主治医と相談しながら進めることが大切です。
※経過には個人差があります。
施術例
「3月まで仕事をやり遂げたい」
心身の限界を感じていた教師の自律神経失調症
激務で不眠や頭痛が続き限界に。「3年生が卒業するまでは何とか頑張りたい」との思いでご来院されました。
来院までの経緯
先月からほとんど眠れず、頭痛や倦怠感が続いていました。
勤務中は分刻みのスケジュールで、毎日夜遅くに帰宅し、土日も出勤している状況でした。
以前、体調を崩して休職した経験もありました。
これまでは「子どもたちのために」という思いで頑張ってこられましたが、心身ともに限界を感じておられました。
「今担任をしている3年生が無事に卒業してから仕事を辞めようと考えています。3月までは何とか持たせたいので、サポートしてほしい」とのことで、ご来院くださいました。
初回来院時のお悩み
常に仕事のことを考えてしまい、眠れない
毎朝、仕事に行きたくない気持ちが強い
頭痛、倦怠感、耳鳴りが強い
「このままではまた倒れてしまう」という不安がある
PMS(月経前症候群)/生理前に不調が強くなる
初回来院時の心身の評価
燃え尽き状態にみられる3つの特徴がそろって見られました
① 情緒的消耗感
心理的な疲労感が強くみられました。
② 対人距離の変化(人間関係)
保護者の一言に大きな負担を感じ、できるだけ関わりを避けたいと思う場面が増えていました。
また、プライベートでも親しい人との関係を解消しようとする動きが見られました。
③ 個人的達成感の低下
学校現場での失望感が強く、教育に対する達成感が低下してたご様子でした。
「怒り」の感情が強く出やすい状態が見られました。
東洋医学では「気虚タイプ」の傾向がみられ、全身のエネルギーが不足しやすい状態でした。
共感性が高く、責任感が強いご性格でした。
鍼灸施術の経過
初回
心身ともに疲弊をしていたので、「精神安定」を目的とする鍼灸施術を行いました。
「鍼で気持ちが楽になりました」とのことでした。
2~5回(週1回の来院)
少し眠れるようになってきたとのことでした。
あわせて、「〜しなければならない」といったご自身を追い込む考え方のクセ(完璧主義)を見直すため、カウンセリングを行いました。
6~13回(週1回の来院)
自律神経症状は気にならなくなってきたとのことでした。
仕事は引き続き忙しい状況ですが、精神状態や症状には落ち着きが出てきたご様子でした。
仕事をすべて自分で抱え込まず、周囲の人に頼れるようになってきたとのことでした。
「退職しようと考えていましたが、子供たちやこの仕事は好きなので続けることに決めました」とお話しされました。
現在
月に一回、メンテナンスとして来院されています。
「精神状態に波があり、心身をもう少し安定させたい」とのことで、引き続き鍼灸施術を継続されています。
※経過には個人差があります。
施術例
「薬だけでなく考え方から変えたい」
うつ病・適応障害での3度目の休職から復職へ
プロジェクトが重なる激務から燃え尽き、深刻な無気力状態へ。「頭がぼーっとして言葉が出ない」「家族の前でも笑えない」と限界まで追い詰められていました。
来院までの経緯
2ヶ月前に心療内科で「うつ病」「適応障害」と診断され、休職に入られました。休職は一昨年から毎年続いており、今回が3回目とのことでした。
日常的な残業に加え、通常は年1回の大型プロジェクトが複数回重なる激務が続き、仕事のピークを過ぎた頃から深刻な無気力状態に陥っていました。
休職の半年前からは、不眠や食欲不振をはじめ、「頭がぼーっとして仕事が手につかない」「言葉が上手く出ない」といった心身のサインが続いていたそうです。
ご家庭でも、奥様やお子様との会話で自然に笑うことができなくなり、休日は気分の落ち込みを紛らわせるために昼間から飲酒をして過ごす日もありました。
これまでは病院での服薬治療で復職されていましたが、「もう休職を繰り返したくない。薬だけでなく、自分自身の考え方から変えたい」との思いで当院へご相談にいらっしゃいました。
初回来院時の心身の評価
心身の状態(バーンアウト)
無気力状態に陥っており、いわゆる「燃え尽き症候群(バーンアウト)」の傾向がみられました。
仕事に対する考え方(考え方のクセ)
「チームの中で、質の高い仕事をしなければならない」という非常に強い責任感をお持ちでした。
また、「人に頼ると自分の評価や価値が下がる」という思い込みから、困っていても周囲にSOSを出せず、一人で全てを抱え込んでしまう傾向(過剰な自己関連付け)がありました。
東洋医学的な体質評価
東洋医学の観点では、全身のエネルギーが枯渇した「気虚(ききょ)タイプ」の状態でした。精神的・身体的ともに疲労が蓄積し、ご自身の力だけでは回復の活力が湧きにくい状態でした。
鍼灸施術の経過
燃え尽きのループから脱出し、休職を繰り返さないためには、ご自身の思考や感情を客観的に観察し、これまでの仕事に対する価値観をアップデートすることが鍵となります。
施術目的
①「本当に大事なものは何か」に気づく(価値観の再構築)
本来、仕事は自分や家族が幸せになるための「手段」であるはずが、自分を犠牲にしてでもやり遂げなければならない「目的」にすり替わっていました。この逆転に気づき、アイデンティティを再構築することを第一の目的としました。
②自分の状態を客観的に見る(メタ認知の向上)
長期間のストレスで心に余裕がなくなると、物事の見方が極端に狭くなり(心理的視野狭窄)、限界を迎えるまで頑張り続けてしまいます。自分の状況を冷静に見つめ直す「メタ認知」を養うことを目的としました。
③家族とのコミュニケーション(自尊心の回復)
度重なる休職により、「自分を大切にする気持ち(自尊心)」が低下していました。特に重要な他者である奥様とのコミュニケーションを密に図るよう促し、安心できる居場所の中で自尊心を回復させることを目指しました。
施術内容
鍼灸施術(心身の緊張緩和):
東洋医学のアプローチで自律神経のバランスを整え、気虚状態を改善し、回復のための土台となるエネルギーを養います。
カウンセリング(自分基準の構築):
人生の振り返りを行い、他人の評価に依存しない「自分基準」の価値観を構築します。
心理学ワーク(客観視の練習):
自分の思考や感情を客観的に捉える「メタ認知能力」の向上を目指したワークを実施しました。
1〜4回目(週1回の来院)
行動とコミュニケーションの変化
今までしたことがなかった「家族の朝食作り」を毎日続けるようになりました。
自分の感情を表現することが苦手でしたが、奥様からのご提案もあり「今日あったこと、感じたこと」を話すようになりました。
また、「できないことはできないと周囲に伝えることも大切だと気づいた」と、人に頼ることへの抵抗感が少しずつ薄れてきました。この時期はまだ「早く復帰しなくては」という焦りもみられました。
5〜10回目(週1回の来院)
考え方の変化と心身の回復
低下していた集中力が戻り、本の内容が頭に入るようになってきました。
奥様からも「笑うようになって、表情が変わってきたね」と声をかけられたそうです。
睡眠の質も向上し、早く目が覚めても「ラッキーだ」と、物事を柔軟に考えられるようになってきました。
「一番大事なのは家族。今まで無理をして残業していたけれど、会社からの評価はそこまで気にしなくてもいいと思えるようになった」と、価値観の大きな変化がみられました。
現在(月1回のメンテナンス)
復職と再発防止の定着
無事に復職を果たされました。
「今までは限界を超えてオーバーフローを起こしていたので、今はあえて8割の力で仕事をするよう心がけている」と、ご自身でセルフコントロール(再発防止)を実践されています。
睡眠も安定し、頭もスッキリしているとのことです。
毎日帰宅後に奥様と仕事の話をし、休日はお子様のサッカーに参加されるなど、日焼けした笑顔でお越しいただいています。
※通院や服薬に関するご判断は、主治医と相談しながら進めることが大切です。
※経過には個人差があります。
施術例
大人の発達障害による生きづらさ
(ADHD・自律神経症状・パニック)
ADHDの特性による生きづらさと自己否定から自律神経症状やパニック状態に。「普通になりたい」と無理を重ね、心身の限界でご来院された症例です。
来院までの経緯
ADHDの特性があり、幼少期から感情の波が大きく、気持ちの切り替えが難しい時期がありました。その影響もあり、周囲とうまく関係を築けず、いじめを受けた経験がありました。
会社に勤めてからも、仕事が思うように進まない場面で感情が高ぶり、強い言葉が出てしまうなど、対人関係のトラブルにつながることがあったそうです。
ADHDの特性に対するコンプレックスが強く、無理をして頑張り続けていましたが、忙しさが増すとパニックのような状態に陥り、極度の緊張と疲労から、心身のコントロールが効かなくなることもありました。
心療内科では「うつ病」と「パニック障害」の診断を受けていました。
医師からは障害者手帳の取得を勧められましたが、「普通になりたい」という強い思いがあり、当時は取得に踏み切れませんでした。
「つらい身体の不調を和らげたい」「心に余裕を持って日々を過ごしたい」という思いから、当院にご相談くださいました。
初回来院時のお悩み
① つらい身体の不調を改善したい
長期間にわたり、頭痛、めまい、しびれ、不眠などの身体的な不調が続いていました。
② 感情を安定させたい
ADHDの特性の影響もあり、感情の波が大きく、気持ちの切り替えが難しい状態が続いていました。突発的に怒りがこみ上げたり、落ち込みが強まったりすることがあり、心に余裕を取り戻したいと感じておられました。
③ 仕事のトラブルに関する悪夢が続く
仕事のプレッシャーやストレスが重なり、悪夢の影響で眠りが浅く、朝起きても疲れが残る状態でした。仕事にも支障が出ていたため、睡眠の質を整えたいという思いが強くなっていました。
初回来院時の心身の評価
① 語気が強く、焦りがうかがえました
会話の中で語気が強くなる場面があり、話し方も急ぎがちで、心に余裕がないご様子でした。
② 東洋医学では「陰虚タイプ」の傾向がみられ、ストレスや過労で全身のうるおいが不足しやすい状態でした
過度なストレスや過労の影響で、体をうるおす力が低下し、心身の緊張が抜けにくい状態がうかがえました。
鍼灸施術の経過
施術目的
①「生きづらさ」を減らし、自己受容感を育てる
ADHDなどの発達特性がある方は、場面によっては社会のルールや周囲の期待に合わせることに負担を感じ、「生きづらさ」を抱えやすいことがあります。
特に日本社会では、身だしなみや生活リズム、家事・育児などにおいて「きちんとしていること」や「気が利くこと」が求められやすく、それがプレッシャーになる場合もあります。
また、思考や行動の偏り、感情の揺れやすさなどが重なることで、長年にわたり劣等感や周囲との摩擦に悩み、強いストレスを抱えることもあります。
その結果、「自分の努力不足」「自分が悪い」と自分を責め続け、抑うつや自律神経の不調につながることもあります。
発達特性そのものを無理に変えようとするのではなく、苦手さを抱えたままでも「生きやすくなる工夫」を重ね、自己肯定感を育てていくことを目指しました。
②感情との付き合い方を整える
ADHDの特性として、感情の高ぶりが急に強くなり、意図せず強い言葉が出てしまうなど、対人関係に影響が出ることがあります。
特にこの方は感情が乱れやすいので、まずは安全性を最優先にしながら、感情が揺れたときの気づき方や落ち着きを取り戻す方法を身につけていくことに重点を置きました。
あわせて、鍼灸施術では心身の緊張を和らげ、自律神経のバランスを整えるサポートを行いました。
施術内容
① 「自律神経のバランスを整える」鍼灸施術を行いました。
不眠、しびれ、頭痛、めまい、月経に伴う不調など、全身の症状が和らぐことを目標に施術を行いました。
② 「生きやすい捉え方」を育てるためのカウンセリングを行いました。
自分らしく過ごせる考え方や向き合い方を一緒に整理しました。あわせて、ADHDの特性による困りごと(感覚過敏、仕事上のミスなど)への対処方法も一緒に考えました。
③ 「感情の波を整える」セルフケアをお伝えしました。
この方の思考の傾向や、過去に非常につらかった時期の状況を踏まえ、日常の中で実践できるセルフケアをお伝えしました。
1~8回目(週2回の来院)
頭痛や生理痛が軽減し、身体面では良い変化が見られてきました。
その後、数日間パニック発作が続く時期もありましたが、ご本人からは「全体としては調子が良くなってきている」とのお話がありました。
一方で、仕事の負担が重なったことで心身の状態が急激に悪化し、医療的な対応が必要な状況となりました。
医師からは「適応障害」と診断され休職の提案もありましたが、ご本人は「頑張りたい」とおっしゃり仕事を続けました。
当院では、心身の緊張を和らげ、落ち着きを取り戻すことを重視した鍼灸施術を行いました。
9~15回目(週1回の来院)
1年以上続いていた食欲不振が和らぎ、現在では空腹を感じられるようになったとのことでした。1日3食、規則正しく食事がとれる日が増えているそうです。
全身のしびれ、耳鳴り、めまい、生理に伴う不調など、身体的なつらさも大きく軽減してきたとのことでした。
また、以前はどれほど体調が悪くても上司に伝えず無理をして働いていましたが、現在ではADHDの特性や心身の状態を会社に共有し、必要な配慮を受けられるようになったとのことでした。
16~20回目(週1回の来院)
夢で目が覚める日が減り、薬を飲まなくても眠れる日が増えてきたとのことでした。
また、自律神経症状による身体的な不調も全体として軽減してきたとのことでした。心身のバランスが整いやすくなり、精神面でも落ち着きが出てきたご様子でした。
以前は仕事でトラブルがあると情緒が揺れ、体調も悪化しやすい状態でしたが、現在は「頭の切り替え」を意識できる場面が増え、大きく崩れることが減ってきたとのことでした。
ストレスがかかったときも、感情に飲み込まれずに落ち着きを取り戻す方法が身についてきたご様子でした。
「無理をしなくてもいい。疲れたときは休んでもいい」と考えられるようになったとのお話がありました。
自分を大切にする感覚が育ち、無理をせず自然体で過ごせる日が増えたことで、心身の状態にも良い影響が出ていると実感されているご様子でした。
現在
メンテナンスとして、月1〜2回のペースでご来院されています。
「普通にならなくてもいい。自分が楽しいと思って生きていきたい」とお話しされ、以前から興味があった職業へ転職されました。
※経過には個人差があります。
※通院や服薬に関するご判断は、主治医と相談しながら進めることが大切です。
【このページの作成者】

豊田英一(とよだえいいち)
【国家資格】
・はり師
・きゅう師
・あんまマッサージ指圧師
【学歴】
・神戸大学大学院修士課程修了(心理学専攻)
【認定資格・終了】
・介護予防指導士
・医療リンパドレナージセラピスト
・感覚統合入門講習会応用コース修了
【所属団体】
・公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会
・公益社団法人 福岡県鍼灸マッサージ師会
自律神経の不調は、ストレスや我慢が続いたときに起こりやすく、薬だけでは変化が出にくい場合もあります。
人に迷惑をかけないように頑張るほど、気づかないうちに負担が積み重なり、つらさが抜けにくくなることもあります。「原因が分からない」「治らないかもしれない」という不安が続くと、症状が強まることがあります。
当院では、心理学の視点を取り入れた鍼灸で、心身の緊張を整え改善を目指します。あきらめる前にご相談ください。
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アクセス
JR福間駅から徒歩15分 駐車場:有り 2台