慢性痛と不眠はセットで悪循環になりやすい
慢性痛のある方ほど「眠れない」「途中で目が覚める」「寝ても回復しない」と感じやすく、逆に睡眠の質が落ちるほど痛みが強く感じられる傾向があります。つまり 痛みと不眠は双方向に影響し合う 関係です。
痛みがあると眠れなくなる理由
痛みがあると、寝返りや姿勢の変化で目が覚めやすくなり、睡眠が細切れになります。さらに「また痛くなるかも」「明日に響く」という不安が加わると、体が緊張状態になり、入眠が遠のきます。こうして眠りが浅くなるほど、回復感が得られず、日中のしんどさも強まりやすくなります。
眠れないと痛みが強くなる理由
睡眠が足りないと、脳と神経の「痛みを抑える仕組み」が働きにくくなり、同じ刺激でも痛みを強く感じやすくなることが分かっています。たとえば、総睡眠不足の後に痛みの感受性が上がり、痛みを抑制する経路が弱まることが報告されています。
悪循環の中心にあるのは「過敏さ」
不眠が続くと、神経が過敏になりやすく、痛みが長引く土台ができてしまうことがあります。慢性痛と睡眠障害の関係には、神経の興奮や痛みの感受性が高まる仕組みが関与するという整理がされています。
まず大事な考え方
慢性痛の改善では「痛みだけ」か「睡眠だけ」を何とかしようとするより、痛みと不眠を同時に整える 方が、悪循環を断ち切りやすくなります。実際、睡眠の問題が慢性痛のリスクと関連するという報告もあります。
今日からできる整え方
1 起きる時間を固定する
寝る時間より、起きる時間を揃える方が体内リズムは整いやすいです。
2 眠れない夜は「頑張らない」
布団の中で粘るほど脳が覚醒しやすい人は多いです。眠気が来るまで一度離れて、静かに過ごしてから戻る方が整いやすいことがあります。
3 痛みのピークを下げる工夫を昼に入れる
日中の軽い運動、ストレッチ、温め、呼吸などで緊張を下げると、夜の入眠が楽になることがあります。
4 不安の整理を先に終わらせる
寝る直前の反省会や検索は不眠を強めやすいです。考え事は紙に書いて区切るだけでも、緊張が落ちやすくなります。
慢性痛の人ほど「不眠への介入」が効果的なことも
不眠に対する認知行動療法 CBT-I は、慢性痛を併発する方の睡眠を改善し、痛みや生活機能にも良い影響が出る可能性が示されています。
「睡眠を整えることを治療の一部にする」だけで、痛みの感じ方が変わるケースは珍しくありません。
受診の目安
いびきが大きい、呼吸が止まると言われる、脚がむずむずして眠れない、強い落ち込みが続くなどがある場合は、睡眠障害や別の要因が隠れていることもあるため、医療機関での確認もおすすめです。
【このページの作成者】

豊田英一(とよだえいいち)
【国家資格】
・はり師
・きゅう師
・あんまマッサージ指圧師
【学歴】
・神戸大学大学院修士課程修了(心理学)
【認定資格・終了】
・介護予防指導士
・医療リンパドレナージセラピスト
・感覚統合入門講習会応用コース修了
【所属団体】
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会
公益社団法人 福岡県鍼灸マッサージ師会
アクセス
JR福間駅から徒歩15分 駐車場:有り 2台