自律神経症状やうつ症状といった心の不調が長引くのは、慢性的なストレスによって「脳の疲労」や「神経・ホルモンバランスの乱れ」が背景にあります。
当院では、鍼灸による「体」のケアに加え、神経心理学に基づく当院独自の「神経心理アプローチ」を行っています。
脳には、経験によって自ら神経回路を作り変える「脳の可塑性(のうのかそせい)」という力が備わっています。この力を引き出し、低下してしまった脳の働きを健やかな状態へと回復させるサポートを行います。
「神経心理アプローチ」がもたらす脳への科学的な変化
1. 脳の血流を促し、コントロールできない不安やパニックを和らげる
心理ワークを通じて、不安や辛い体験を言葉にして吐き出すと、脳内で感情を整える「前頭前野」が活性化し、血流が良くなります。
この理性の司令塔が働くことで、恐怖や不安のセンサーである「扁桃体(へんとうたい)」の暴走が抑え込まれます。結果として、交感神経の過剰な緊張が静まり、ストレスホルモンの分泌が穏やかになります(心のブレーキ機能)。
【期待できる変化】
「また不安になるかも…」という漠然とした恐怖が和らぎ、心がスッと落ち着く時間が増えていきます。理由のない焦りや、ざわざわとした感情に振り回されにくくなります。
2. 脳に「空き容量」を作り、嫌なことを考え続ける「ぐるぐる思考」を落ち着かせる
悩みを頭の中で抱え込み続けると、脳の作業スペース(ワーキングメモリ)がパンクして激しく疲労します。
心理ワークでアウトプットすることで、脳に「空き」が生まれ、過去の後悔や未来の不安を無意識に繰り返してしまう回路(DMN)の過剰な働きが整えられやすくなります。
【期待できる変化】
「あんなこと言わなきゃよかった」「明日失敗したらどうしよう」といった、頭から離れない思考のループが静まります。寝ても取れない頭の重だるさが抜け、考えること自体に疲れにくくなります。
3. セロトニンを促す「プラスの脳回路」を育てる
人の脳はもともと、身を守るためにネガティブな情報に敏感に反応するクセを持っています。心理ワークを通じてポジティブな側面に目を向ける習慣をつけると、注意を切り替える脳の機能が物理的に鍛えられます。
不安ばかり探す脳のクセを修正し、安心ホルモンである「セロトニン」の分泌を促す「プラスの神経回路」の構築を科学的にサポートします。
【期待できる変化】
悪いことばかりに目が行くクセが和らぎ、「まあ、いいか」「今日はこれで十分」と自分を許せるようになります。体の余計な緊張が解け、ぐっすり眠れる日が増えていきます。
4. 脳の働きを活性化し、意欲やドーパミン分泌を回復させる
1日の終わりの「良かったこと」など、ポジティブな体験に価値を見出す作業は、脳内で喜びや快感を受け取る部分をダイレクトに刺激します。
ここが活性化することで、喜びや意欲の源となる脳内伝達物質「ドーパミン」が分泌されやすくなります。これにより、物事の捉え方が自然と肯定的な方向へ向かうよう後押しします(心のアクセル機能)。
【期待できる変化】
「何もしたくない」「何を食べても美味しくない」といった無気力な状態から少しずつ抜け出し、気づいていなかった日常の小さなことに「嬉しい」「美味しい」と感じる自然な喜びが戻ってきます。
5. 感情と行動を切り離し、ストレスを跳ね返す「回復力」を育てる
不安や思考を自分自身から切り離して客観視するワーク(脱フュージョン)を行うと、脳内で物事を冷静に判断する領域が強く活性化します。
これにより「不安を感じてはいるが、今は必要な行動をとる」といった、感情と行動を切り離す『心のコントロール機能』が育ちます。
さらに、これらのアプローチを反復することで、脳が経験によって自ら神経回路を強化する「脳の可塑性」が働きます。一時的な気休めではなく、ストレスを受けてもポキっと折れずに立ち直れる「脳の回路レベルでのしなやかな回復力(レジリエンス)」が定着していきます。
【期待できる変化】
強いストレスを感じても、感情に飲み込まれずに「今の自分は疲れているから、まずは休もう」と冷静に対処できるようになります。不調の波が来てもすぐに立て直せる、しなやかで折れにくい心が育ちます。
【このページの作成者】

豊田英一(とよだえいいち)
【国家資格】
・はり師
・きゅう師
・あんまマッサージ指圧師
【学歴】
・神戸大学大学院修士課程修了(心理学専攻)
【認定資格・終了】
・介護予防指導士
・医療リンパドレナージセラピスト
・感覚統合入門講習会応用コース修了
【所属団体】
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会
公益社団法人 福岡県鍼灸マッサージ師会
アクセス
JR福間駅から徒歩15分 駐車場:有り 2台