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歩行困難な椎間板ヘルニアの鍼灸治療例

歩行困難な椎間板ヘルニアの鍼灸治療例

50代 男性 福津市


来院までの経緯
 

早朝、左足の激痛のため救急車で病院に搬送。腰椎の椎間板ヘルニアの診断でした。

1か月の入院中、何度かブロック注射を受けていましたが、歩行まで回復しませんでした。

左足を床につけて体重をかけると激痛が走り、両足で立つこともできない状態でした。

「手術はしたくない、鍼灸でなんとかならないでしょうか」と、知人の紹介を経て来院されました。

 

 


初回来院時のお悩み
 

 ・手術はしたくない

・少し痛みが残っても歩けるようになりたい

・もう二度と歩けなくなるかと思うと眠れない

  


初回来院時のお身体の状態
 

・激痛は主に左足の外側にあり、足の指から腰までありました。東洋医学でいう「胆経」のラインに強くでていました。

・痛みへの「恐怖心」と「あきらめ」が強く表れていました。

 


鍼灸治療の経過
 

初回 

東洋医学では、「不通則痛」という考え方があり、気の流れが滞ったところに痛みや症状が現れると考えています。

「痛みがある左足外側の気の流れを良くする」鍼灸治療をしました。

 

2回~4回 

週2回のペースで来院。

精神安定の鍼灸治療と、痛みへの恐怖心を取り除くためのカウンセリングを加えました。

立ち上がりの痛みが軽減しました。

10分間、散歩できました。

復職について焦る気持ちはありましたが、職場からは「ちゃんと治してから戻ってきてくださいね」と言ってもらえたそうです。

 

5回~10回 

週1回のペースで来院。

50分間、散歩できるようになりました。

職場に復帰できました。

「だいぶん痛みを意識することはなくなった」そうですが、足の指のしびれは少し残っています。

 

11回~17回 

「良くなったが、再発が怖いのでまだ通いたい」ということでしたので、月に2回のペースで来院。

3か月後、「痛みが1回もなく不安もなくなった」ので、鍼灸治療を終了しました。

 

最後に

「痛みへの恐怖心・無力感」は、痛みを悪化させることが分かっています。

この方は、たしかに椎間板ヘルニアが原因の痛みがあったと思われます。

しかし、それと同時に激痛を経験したことと、1か月間の入院生活で治らなかった無力感が痛みを悪化させていたと思われます。

数回の鍼灸治療で、痛みはありながらも、立ち上がってトイレまで歩けるようになったのは、椎間板ヘルニアの痛みだけではなかったと考えています。

痛みには、「心の問題」という側面があります。

「検査をしても異常が見つからない痛み」、「鎮痛剤が効きにくい痛み」は、不安定な心の状態が反映されています。

長年つらい痛みに悩まされている方は、心のケアもされてみてはいかがでしょうか。

 

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