突然、顔の半分が動かなくなり、鏡を見るたびに絶望してしまう。顔面神経麻痺の発症は、心に計り知れないショックを与えます。しかし、実は発症の「前」から、あなたの心と体は悲鳴を上げていたのかもしれません。
物事を「100点か、0点か」「完璧か、失敗か」の極端な2択で捉える心理学の概念「白黒思考(全か無かの思考)」。この真面目すぎる考え方のクセが、顔面神経麻痺の発症リスクや、その後の回復にどう影響を及ぼすのかを解説します。
発症の引き金となり得る「休んではいけない」という呪縛
顔面神経麻痺(ベル麻痺やラムゼイ・ハント症候群)の多くは、過去に感染したウイルスが「免疫力の低下」によって再活性化することで起こります。では、なぜ免疫がそこまで落ちてしまったのでしょうか。
白黒思考が強い方は、「仕事を100%完璧にこなさなければ意味がない」「途中で休むことは0点(怠け)だ」と自分を厳しく追い込みます。
この休むことを許さない完璧主義が、自律神経の交感神経を過剰に働かせ、身体の免疫システムを著しく低下させる要因となり得ます。つまり、顔面神経麻痺は「これ以上無理をしてはいけない」という、体からの強いSOSサインとも言えます。
「完全に治らなければ無価値」という発症後の絶望
発症後、この白黒思考の刃は「自分の顔(外見)」へと向かいます。
神経の修復には時間がかかり、「少し口角が動くようになった」「まぶたが少し下がるようになった」というグレーゾーン(回復の途中経過)が必ず存在します。
しかし、白黒思考に陥っていると、「100%完全に元の顔に戻っていないのだから、今の自分は0点(無価値)だ」と、小さな回復の兆しをすべて否定してしまいます。
「少しでも顔に左右差があるなら、人前に出る資格はない」という強烈な自己否定と焦りは、顔まわりの筋肉をさらに緊張させ、神経修復に必要な血流を滞らせて回復を遅らせるリスクを高めてしまいます。
顔の構造(解剖学)と専門的な指針に基づく的確なアプローチ
「完全に治らなければ」という焦りを手放すには、精神論だけでなく「確実に良くなるための道筋」を身体で実感することが必要です。
当院では、単にリラックスを促すだけでなく、日本顔面神経学会が推奨する診療ガイドラインを踏まえた上で、解剖学的な視点から顔面神経の走行や表情筋の状態を正確に把握します。
麻痺によってこわばった筋肉や、回復が停滞している神経に対し、的確な鍼灸アプローチを行うことで、まずは局所的な神経修復を促す土台をしっかりと構築します。
東洋医学の視点で全身を整え、「極端な焦り」を溶かす
顔の局所への的確な施術を行った上で、当院では東洋医学の視点から「全身の気血の巡り」と「自律神経」を整えていきます。
顔面神経麻痺は顔だけの問題ではなく、発症前から蓄積された「休んではいけない」という過剰なストレス(交感神経の高ぶり)が背景にあることが少なくありません。全身の強ばりを解き、自律神経を安定させることで、身体が本来持つ回復力をサポートします。
解剖学に基づくアプローチと、自律神経が整う身体的な安心感。この2つが合わさることで、「焦らなくても、少しずつ良くなっていく」という実感が生まれ、「100%治らなければ無価値」という極端な白黒思考から心を解放する一助となるのです。
元の顔に戻らないなら生きていても仕方ないと絶望する前に、心と顔面神経の修復をサポートする当院へご相談ください。
>>当院の顔面神経麻痺へのアプローチと改善事例はこちら
・【症例】3回繰り返した顔面神経麻痺への鍼灸施術と改善のプロセス
・【症例】1年以上経過した顔面神経麻痺への鍼灸施術と改善のプロセス
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【このページの作成者】

豊田英一(とよだえいいち)
【国家資格】
・はり師
・きゅう師
・あんまマッサージ指圧師
【学歴】
・神戸大学大学院修士課程修了(心理学専攻)
【認定資格・終了】
・介護予防指導士
・医療リンパドレナージセラピスト
・感覚統合入門講習会応用コース修了
【所属団体】
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会
公益社団法人 福岡県鍼灸マッサージ師会
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