「家族がいくら優しくしてくれても、1度ため息をつかれただけで『私は家族の重荷だ』と自分を責めてしまう」 「1週間のうち5日は調子が良かったのに、今日1日寝込んでしまっただけで『やっぱり私はちっとも良くなっていない』と絶望してしまう」
うつ病で苦しんでいる時、なぜかこのように「悪い部分」ばかりがクローズアップされて目に飛び込んでこないでしょうか。
心理学では、全体の中にあるほんのわずかなネガティブな要素だけを無意識にすくい取ってしまうことを「心のフィルター」と呼びます。
うつ病の脳がかけさせる「真っ暗なサングラス」
ストレスによる自律神経の乱れでもこの心のフィルターは働きますが、うつ病の場合はより深刻です。脳のエネルギーが枯渇しているうつ病の状態では、ポジティブな情報を受け取る余裕そのものが失われ、まるで「真っ暗なサングラス」をかけて世界を見ているような状態に陥ります。
本来なら「今日は少しご飯が食べられた」「友人が心配して連絡をくれた」といった、日常の中にある小さな「できたこと」や「温かさ」があるはずです。
しかし、心のフィルターがかかっていると、それらの肯定的な情報はすべて弾かれ、「できなかったこと」や「自分のダメなところ」という暗い情報だけが脳に直接突き刺さってしまいます。
「治っていない」という錯覚が回復の気力を奪う
この心のフィルターがうつ病の治療において最も厄介なのは、「回復への希望」すらもへし折ってしまう点です。
うつ病の回復には波があり、一進一退を繰り返しながら少しずつ良くなっていくのが普通です。しかし、フィルターがかかっていると、少しずつ前進している事実(白い部分)が見えなくなり、調子が悪かった日や失敗したこと(黒い部分)だけを見て「治療しても全く無駄だ」「ずっとこのままだ」という強烈な絶望感に襲われます。
この希望の喪失が、うつ病の泥沼から抜け出す気力を奪ってしまう最大の原因なのです。
真っ暗な視界を否定しない心理学的アプローチ
「もっと前向きに考えよう」「良いところを探そう」。周囲からそう励まされても、真っ暗なサングラスをかけた状態では「それができないから苦しいんだ」と、さらに自分を追い詰めてしまいます。
豊田治療院では、患者様に無理にポジティブになろうと強要することはありません。専門的な心理学の知見を持つ鍼灸師が、まずはあなたが今見ている「真っ暗で辛い世界」を一切否定せずに、そのまま受け止めます。
無理にフィルターを外そうとするのではなく、「今はそう見えてしまって辛いですよね」と、深く寄り添うことから始めます。
鍼灸で「丸まった姿勢」をほどき、呼吸を取り戻す
うつ病で悪いことばかり考えている時、人は無意識のうちに「内に丸まって縮こまった防御姿勢」になり、呼吸が極端に浅くなっています。
当院では、不安や自己否定でガチガチに固まった胸や背中の筋肉に対し、自律神経専門の鍼灸でアプローチします。筋肉が優しくゆるむと、自然と胸が開き、深い呼吸ができるようになります。
脳にたっぷりと酸素が行き渡り、身体の深い部分からリラックスできるようになると、分厚かった真っ暗なサングラスの色が少しずつ薄まり、「あ、今日は少しだけ前を向けるかも」と、本来のフラットな視界を取り戻すことができるのです。
悪いことばかり考えて落ち込んでしまうのは、あなたの性格のせいではなく、うつ病という症状のせいです。真っ暗な世界に一人で閉じこもらず、ぜひ当院へご相談ください。
・【症例】うつ病(適応障害)により8年間ひきこもっていた方の鍼灸施術と改善のプロセス
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【このページの作成者】

豊田英一(とよだえいいち)
【国家資格】
・はり師
・きゅう師
・あんまマッサージ指圧師
【学歴】
・神戸大学大学院修士課程修了(心理学専攻)
【認定資格・終了】
・介護予防指導士
・医療リンパドレナージセラピスト
・感覚統合入門講習会応用コース修了
【所属団体】
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会
公益社団法人 福岡県鍼灸マッサージ師会
アクセス
JR福間駅から徒歩15分 駐車場:有り 2台