「そう感じるから、事実だ」と思い込む
「こんなに不安を感じているのだから、絶対に失敗するに違いない」「自分がダメな人間だと感じるから、私はダメな人間に決まっている」と、自分の感情を現実の根拠にしてしまうことはありませんか?
心理学では、このような考え方のクセを「感情的決めつけ(感情的推論)」と呼びます。客観的な事実や証拠ではなく、その時の自分の「感情」を根拠にして物事を判断してしまう、認知の歪みの一つです。
なぜ、ネガティブな感情に振り回されてしまうのか?
うつ状態の時は、脳の疲労からネガティブな感情が強く湧き上がりやすくなっています。そのため、「不安だ」「怖い」という感情が先行し、それがそのまま「現実も危険だ」という思い込みに直結してしまいます。
本当は安全かもしれないのに、「怖いと感じる=危険な状況だ」と脳が誤作動を起こし、行動することがますます怖くなって、うつ病の回復を遅らせる原因になってしまうのです。
【心理学のヒント】「感情」と「事実」を切り離す
この苦しい状態から抜け出すために、心理療法では「感情」と「事実」を切り離す練習を行います。
ステップ①:「感情=事実ではない」と気づく
まずは、「不安を感じていること」と「実際に失敗すること」は別の問題だと認識します。強い不安が湧き上がった時、「あ、今自分は『不安な感情』を『現実』だと思い込もうとしているな」と立ち止まることが第一歩です。
ステップ②:感情を「天気」のように観察する
湧き上がった感情を自分自身と一体化させず、「今は『不安』という嵐が来ているな」と、少し離れたところから観察してみましょう。頭の中の感情と現実を切り離すこのテクニックを、心理学ではメタ認知と呼びます。
感情は空模様のように、やがて通り過ぎていくものだと捉える練習です。
ステップ③:感情ではなく「事実」に目を向ける
心の中で不安の嵐が吹き荒れていても、「今日は少しご飯が食べられた」「本を1ページ読めた」という小さな事実に目を向けます。
感情の波に飲み込まれず、「感情はどうあれ、今の自分にできた小さな事実」を認める練習を重ねることが、過剰な恐怖感を和らげる確実な一歩になります。
※うつ病の治療や服薬は自己判断せず、必ず主治医にご相談ください。当院は医療機関と並行して心身の回復をサポートします。
当院から
考え方を少し見直すだけでも、心は軽くなります。
おひとりでは難しいと感じた場合は、当院のうつ病のページなども参考にしてみてください。
当院の施術例
うつ病につながりやすい考え方のクセ(認知の歪み)が影響しているケースや、その他のうつ病の施術例も併せてご参考になさってください。
常に最悪を考えてしまう不安(全般性不安障害)と更年期不調
50代 女性 鞍手郡
仕事や家族へのマイナス思考が止まらず、一日中続く極度の緊張と不眠。「またうつで入院するかもしれない」と限界を迎えてご来院されました。
薬に頼りたくない不眠と胃痛。完璧主義による自律神経失調症
50代 女性 宗像市
「妻・嫁だから」と完璧を求めて自分を責め、心身が限界に。薬に頼りたくない深刻な不眠や胃痛、自律神経の乱れでご来院されました。
朝の吐き気と強い不安。「自分の価値が分からない」うつ症状
60代 女性 福津市
病院で異常なし。「自分には何もない」という自己喪失感から、朝の激しい吐き気や震え、強い不安感に悩まれてのご相談です。
8年のひきこもり。「働けない自分」を責めた適応障害
40代 男性 福津市
適応障害から8年のひきこもりに。「親に申し訳ない」と毎日自分を責め続け、将来への強い不安で心身ともに限界の状態でご来院されました。
【このページの作成者】

豊田英一(とよだえいいち)
【国家資格】
・はり師
・きゅう師
・あんまマッサージ指圧師
【学歴】
・神戸大学大学院修士課程修了(心理学専攻)
【認定資格・終了】
・介護予防指導士
・医療リンパドレナージセラピスト
・感覚統合入門講習会応用コース修了
【所属団体】
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会
公益社団法人 福岡県鍼灸マッサージ師会
アクセス
JR福間駅から徒歩15分 駐車場:有り 2台