【よくみられるケース】
◆指示されたことをやり終えたら、じっとして次の指示を待っている
◆何をしたらよいか、上司に聞きに行くことをしない
◆手が空いたら忙しそうな人を手伝うといった機転が利かない
【解説】指示には忠実だが、察して動くことができない
自閉スペクトラム症の特性がある人では、指示されたことには忠実に実行するものの、終わったら次に何をするのか聞きに行くことができません。
なぜ言いにこないかと問いただすと、「言われていなかったので聞かなかった」といった答えが返ってきます。
反抗心などではなく、ただ言われたことに忠実なだけなのですが、そうした融通の利かなさが他者から理解されにくいといえます。
周りの状況を読むスキルも弱く、忙しそうな人をみて「手伝ったほうがいいかな」と気を利かせることも思いつきません。
「察して動け」と言っても無理なので、その都度何をすべきか指示する必要があります。
【周囲のサポート①】
◆批判的な見方をせず、割り切って指示を出す
「こんなこと言われても、察して自分からやるだろう」と思われるようなことが、発達障害の特性がある人には難しいです。
周りの人はそのことを理解する必要があります。
「みんな忙しそうにしているのに、手伝おうとしないのか」と批判的にみるのではなく、特性と割り切って接することが大切です。
例
手盛り無沙汰にしていたら、「〇〇さん、手伝って」と具体的に伝える
【周囲のサポート②】
◆あいまいな指示は出さず、具体的に伝える
自閉スペクトラム症の特性がある人に対しては、「きちんと」、「ちょっと」と言ったあいまいな言葉は使わずに、具体的な範囲や到達度を示す形で指示を出します。
また、指示のあと、作業を始めるタイミングがわからないことがあるので、「はじめていいよ」と一声かけるようにすれば伝わります。
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